ゴキブリ対策に優れた賃貸物件の見分け方と築年数の関係
「引越しをしたいけれど、ゴキブリが出ないか心配…」
「ゴキブリが発生しにくい物件ってあるの?」
物件を探すうえで、ゴキブリの発生を気にしている方は少なくありません。一般的に古い物件はゴキブリが出やすいといわれていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
今回は、ゴキブリ対策に優れた賃貸物件の見分け方と築年数の関係について情報をまとめてみました。「頻繁にゴキブリが出で困っている」という方は必見です。
ひと目でわかるゴキブリが侵入しにくい物件の見分け方
ゴキブリの侵入を完全に防ぐことはできませんが、侵入しにくい物件を選ぶことで発生する回数を減らすことができます。実際に「ゴキブリが出やすい条件」は存在するため、事前に知っておくと安心でしょう。
物件を見分けるときのポイントは4つあります。
階数が高い
一般的に、ゴキブリは下から上へ飛行する能力が乏しいため、階数が高いほど発生しにくいといわれています。階数ごとの年間発生率(株式会社オウチーノ「住居内の「虫トラブル」実態調査」)を調べると、1~2階が3.39回なのに対し、6~10階は1.28回、さらに11階以上になると0.07回まで減っていました。
もちろん、高層階=ゴキブリが発生しないと断言はできませんが、低層階に住むよりも安全性は高くなるでしょう。5階まではそれほど差がないため、できれば6階以上が好ましいといえます。
ただ築年数や立地なども関係してくるので、高層階だけで選ぶのはNGです。
立地がよい
高層階であることに加えて、立地も見分けるときのポイントになります。たとえば「1階がコンビニ・飲食店ではない」「近隣に公園がない」などです。
1階にコンビニや飲食店がある物件は、ほかの物件に比べてゴキブリの発生率が高いといわれています。理由は、エサとなる食べもの・ニオイが充満しており、ゴミが出やすいからです。
ゴキブリは視力が悪い一方で嗅覚に優れているため、ニオイを頼りに「居心地がいい場所」を探しています。実際、コンビニ・飲食店はゴキブリが発生する確率が高いので、物件を探すなら1階もしくは近隣に食べものを扱うお店がないところが安心でしょう。
近隣に公園がある物件も、雑木林に生息するゴキブリが発生しやすいので要注意です。
鉄筋コンクリート造
建物の構造は、鉄筋・鉄骨・ブロック・木造などに分類されます。このうち、鉄筋コンクリート造になるのは「鉄筋系」の構造になりRC造やSRC造とも呼ばれています。鉄筋系はほかの構造に比べて金額が高いのがデメリットですが、一方でゴキブリなどの害虫を寄せつけにくいというメリットがあります。
というのも、木造・鉄骨の物件は湿気が溜まりやすく、とくに木造は経年劣化で木痩せや腐敗が起こりやすいからです。もちろん鉄筋コンクリート造でも劣化はしますが、木造・鉄骨に比べると隙間ができにくいため、ゴキブリ対策を重視するならおすすめの構造といえるでしょう。
ほかの条件よりも優先順位が高いといっても過言ではありません。
共用部が汚れている
築年数・階数・構造も重要ですが、どんなにすべての条件をクリアしている物件でも、共用部が汚れているとゴキブリの巣窟になってしまいます。共用部とは、ゴミ置き場・廊下の排水溝・バルコニー・駐車場/駐輪場などが主な場所です。
なかでもゴミ置き場や廊下の排水溝はエサを求めてゴキブリが寄りつきやすいので、汚れているところは避けたほうがよいでしょう。
そもそも、共用部が汚い物件は、管理が行き届いていない証拠です。優良物件とはいえないため、たとえ外観デザインや理想の間取りでもおすすめしません。
築年数が古いとゴキブリが侵入しやすい?
築年数とゴキブリ発生率は深い関係があります。物件を見分ける際のポイントにもなりますが、なぜ築年数が古いとゴキブリが出やすくなるのでしょうか。
理由は、劣化による隙間や腐敗などにあります。それぞれの原因について説明しましょう。
劣化によって侵入しやすくなる
築年数は、新しいほどゴキブリが侵入しにくくなります。というのも、物件は築年数が古くなるほど木痩せや腐敗が起こりやすく、ひび割れによって隙間ができてしまうからです。
少し前でも触れていますが、築1年と築20年以上ではゴキブリの発生率がまったく異なります。もちろん築1年でも立地や構造で発生することはありますが、それでも年1.43回と非常に少ない回数です。しかし築20年以上になると約3.4倍の4.98回になり、グンと発生率が上がります。
とはいえ、いつまでも新しい状態が維持できるわけではありません。新築も年数が経てば古くなっていきますから、発生しないように対策をとるしかないでしょう。
築20年以上はかならずゴキブリが出る?
築1~5年の物件に比べると、築20年以上はゴキブリが発生しやすくなります。しかし築年数が古いだけでかならずしもゴキブリが出るわけではありません。なかには築40年以上の物件でもゴキブリが出ないケースもあるため、状態によって遭遇率はグンと下がるでしょう。
ちなみに、築年数が古くても出なかった理由は、定期的なメンテナンスをしていたことやリノベーション済みなどが挙げられます。壁や床が張替えられていれば、ゴキブリが侵入する隙間がないので安心して住み続けられるでしょう。
もちろん、リノベーションをしても古さがわかる物件は避けたほうがよいでしょう。
自分でできるゴキブリ対策
ゴキブリ対策に優れた物件を見分けることも大切ですが、安心して住み続けるにはゴキブリが発生しない環境にする必要があります。不潔な部屋は、どんなに新しい物件でも発生してしまいます。
自分でできるゴキブリ対策を知って、きれいな状況を保ちましょう。
こまめな掃除
食べ残しやゴミを放置するなど、ゴキブリが好むエサが多い環境は発生率が高くなります。髪の毛やホコリもエサになるため、こまめに掃除し、きれいにしておきましょう。
とくにキッチンは、生ゴミを放置しないようにしっかりくくり、フタつきのゴミ箱へ捨ててください。なかにはゴミを溜めてから捨てる方もいますが、その間にゴキブリが寄ってくる恐れがあるので、その都度捨てるようにしましょう。
室外のゴミも同様です。外にゴキブリがいるということは、室内に侵入する可能性があります。ベランダや庭の落ち葉も、定期的に掃除しておきましょう。
侵入口を作らない
小さな隙間でも侵入してくるので、徹底的に侵入口を作らないことが大切です。窓は開けっぱなしにしない・壁のひび割れは修理する・ドアをきちんと閉めるなど、ちょっとした対策だけでもずいぶん違います。とくに築年数が古い物件はいとも簡単に侵入してしまうので、しっかり塞いでおきましょう。
そのほかにも、エアコンや換気扇も侵入経路になるといわれています。室外機からゴキブリが侵入し、エアコンから出てきたという事例もあるため、フィルターなどでカバーすることをおすすめします。
薬剤を使用する
「ゴキブリを寄せつけたくない!」という方は、薬剤を使用するのも手段のひとつです。いわゆるベイト剤と呼ばれるもので、入居前や侵入口などに設置することでゴキブリの発生率を軽減できます。キッチンの水道管まわりや排水口付近にも、忘れず仕掛けておきましょう。
ベイト剤以外にも、アロマやハーブなども効果的です。もっとも効果が高い香りはスペアミント・日本ハッカ・クローブなどが挙げられます。どれもスッと爽やかな香りがするもので、なかでもスペアミントは清涼感と甘さのなかに苦みがあるのが特徴です。
レモングラスやユーカリなどもよいといわれていますが、ミント系の香りに比べると効果が薄いため、しっかり防ぎたい方にはおすすめしません。またペットを飼っている方は、使用の際に十分な注意が必要です。殺虫効果のあるものは事前に安全性を確認したのち、使用するようにしてください。
まとめ
ゴキブリを避けるために、知っておくと役立つ見分け方や築年数との関係について紹介しました。ゴキブリは古い物件ほど侵入しやすいといわれていますが、新しい物件でもゴミが多かったり、近隣に飲食店や公園があったり、低層階の部屋に住んでいたりすると発生率は高くなります。
ようするに「新しい物件だから安心」ではありません。自分でもきちんと対策ができていれば、発生する確率は軽減できるでしょう。