賃貸不動産のガスに違いはある?それぞれを選ぶメリット・デメリットを比較
今日の賃貸不動産で使われているガスは主に都市ガスとプロパンガス(LPガス)の2種類です。それぞれのガスには特徴があり、どちらがよいかはライフスタイルや使用目的によって異なります。都市ガス、プロパンガスのメリットとデメリットについて比較するので、違いを知りたい方はぜひ記事をご覧ください。
都市ガス賃貸住宅のメリット
都市ガス賃貸住宅のメリットは、以下のとおりです。
1. ガス料金が安い
都市ガスの最大のメリットは、料金の安さです。これは、天然ガスを供給するパイプラインが広範囲にわたり整備されているため、供給コストが比較的低く抑えられるからです。
都市ガスは公共のインフラとして多くの地域で利用されており、安定した価格で利用することができます。とくにガスを多く使用する家庭では、都市ガスを選ぶと月々のガス代を抑えられるでしょう。
2. 安定供給が可能
都市ガスは、配管を通じて家庭に直接供給されるため、常に安定した供給が保証されています。災害時にも迅速な復旧が行われることが多く、ライフラインとしての信頼性が高いです。また、ガス漏れなどのトラブルに対しても都市ガスの方が速やかな対応が可能なことが多いため、安全性の観点でも都市ガスは優れています。
3. 環境への負荷が少ない
都市ガスは主にメタンを主成分とする天然ガスであり、燃焼時に排出される二酸化炭素がプロパンガスに比べて少ないです。環境保護の観点からも、都市ガスの利用はよりエコフレンドリー(環境に優しい)な選択肢といえるでしょう。
都市ガス賃貸住宅のデメリット
ガス料金が安く供給も安定している都市ガスですが、デメリットもあります。
1. 設置エリアが限定されている
都市ガスは、ガス管が敷設されている地域でのみ利用可能です。そのため、地方都市や都市部から離れたエリアでは都市ガスが使えないことがあります。とくに賃貸物件を探している場合、都市ガスの有無は物件選びに影響を与える重要な要素となります。都市ガスが利用できないエリアでは、プロパンガスを選ばざるを得ない場合も多いです。
2. 初期費用がかかることがある
都市ガスを新たに導入する場合、ガス配管の敷設や接続工事に費用が発生する場合があります。賃貸物件では通常、オーナー側が工事コストを負担することが多いですが、まれに入居者に一部の費用が請求されることもあります。これにより、引っ越し時の初期費用が予想以上に膨らむことがあります。
プロパンガス(LPガス)賃貸住宅のメリット
各家庭に供給されているプロパンガスは、都市ガスと比較して以下のようなメリットが有名です。
1. 設置エリアに制約がない
プロパンガスはボンベで各家庭に供給されるため、都市ガスのように配管が必要ありません。このため、地方や山間部など、都市ガスが供給されていないエリアでも利用が可能です。
とくに都市部以外の賃貸物件では、プロパンガスが一般的に使われていることが多いです。供給場所に制約がないため、物件選びの際にガスの種類にこだわらなくてもよいというメリットがあります。
2. 災害時の対応が柔軟
プロパンガスは、ボンベ式で各家庭に個別に供給されるため、災害時に都市ガスのような大規模な復旧作業を待たずに使い続けられる場合があります。また、停電時でもガスコンロを利用できるため、災害時には一定のライフラインとしての役割を果たすことが期待されます。
プロパンガス賃貸住宅のデメリット
各家庭に供給されるプロパンガスのデメリットは以下のとおりです。
1. ガス料金が高い
プロパンガスは、供給業者が個別に料金を設定しているため、都市ガスと比較して料金が高くなるのが一般的です。さらに、供給地域や業者によって料金に大きな差が出ることもあります。
また、プロパンガスの料金は都市ガスに比べて変動しやすいため、家計管理が難しくなることがあります。ガスを多く使用する家庭では、プロパンガスの利用による月々のコストが大きな負担となる可能性があります。
2. 環境への負荷が大きい
プロパンガスは液化石油ガスを使用しており、燃焼時に排出される二酸化炭素の量が都市ガスよりも多くなります。そのため、環境への影響を考慮すると、プロパンガスは都市ガスよりも負荷が大きいといえます。エコロジーに関心のある方にとっては、プロパンガスの選択はデメリットとなるでしょう。
3. ボンベの取り扱いが必要
プロパンガスはボンベで供給されるため、定期的にガスボンベの交換が必要です。とくにファミリー世帯やガス使用量が多い家庭では、交換の頻度が高くなり、手間がかかることがあります。また、ボンベの設置スペースが必要なため、物件によってはスペースの確保が課題となることもあります。
賃貸不動産ではどちらのガスを選ぶべきか?
都市ガスとプロパンガスの選択は、居住エリアやライフスタイルによって大きく変わります。都市部で生活する場合や、コスト重視で選ぶなら都市ガスが理想的ですが、設置エリアが限定される地方や災害時の柔軟な対応を求める方にはプロパンガスが適している場合もあります。
また賃貸物件を選ぶ際は、ガスの種類によるメリットとデメリットを理解し、自分の生活に合った選択をすることが大切です。
まとめ
都市ガスは価格が安く、供給が安定しているのが特徴です。しかし、ほとんどの場合、都市部にしか供給されておらず、新規導入の際の初期費用なども懸念されます。一方のプロパンガスは各家庭に供給されるため、災害や緊急時への対応がスムーズにできます。どのような居住エリアにも対応できるため、郊外などで使われることが多いです。どちらのガスか賃貸物件に使われているかは、不動産会社に問い合わせましょう。極力費用を抑えたいなら都市ガス物件を、居住エリアの範囲をより広げたいなら、プロパンガスの物件を視野にいれるのがおすすめです。