物件の築年数を確認する際に気を付けることとは?気になる耐震基準についても解説
築年数は、物件選びにおいて気にされやすいポイントです。しかし、具体的にどのような基準で築年数による物件のよしあしを判断すればいいのかわからない人も多いです。また、近年の地震が多い状況から、築年数と耐震基準の関係性も気になります。本記事では、そのような疑問を解消するため、築年数について深掘りして解説します。
そもそも築年数とは
築年数は、建物が完成してからの経過年数を指します。古い建物を大切にする文化の欧米とは異なり、日本では築年数が浅い物件や新築物件が好まれる傾向があります。
この傾向は、地震やそのほかの災害が頻発しやすい地域性も背景にあります。築浅物件は、建物が比較的新しく、築5年以内の築年数が浅い物件を指します。
一方、新築物件は建てられてから1年以内かつ未入居の物件を指し、築浅物件よりもさらに新しいものです。築浅物件や新築物件に対して、築古物件は一般的に10年以上が経過した建物を指しますが、厳密な定義はありません。
築年数の考え方は、建物の構造によっても異なります。たとえば、鉄筋コンクリート造は耐久性や耐震性に優れており、重量鉄骨造や軽量鉄骨造もそれに次ぐ安定性があります。
一方で、木造の建物は一般的に耐久性や耐震性が劣りますが、材質や工法、メンテナンスによって性能は変わります。建物の法定耐用年数も構造によって異なり、築年数の評価に影響を与えます。
木造や軽量鉄骨造などは比較的短い耐用年数が定められていますが、鉄骨コンクリート造は比較的長い耐用年数が与えられます。このように、築年数だけでなく建物の構造や耐久性、法定耐用年数などの考慮が重要です。
また、地域の地盤や環境、適切なメンテナンスも建物の寿命や安全性に影響を与える要素となります。
築年数と耐震基準はどのように関係するのか
築年数と耐震基準の関係は、建物が「旧耐震基準」と「新耐震基準」のどちらの基準にしたがって建てられたかの考察により把握します。耐震基準は、地震による建物の損壊や倒壊を防ぐための基準であり、日本の建築基準法にもとづいて設定されます。
建築確認申請により、建物が基準に適合しているかが確認され、申請が受理された日が建築確認日となります。1981年の建築基準法改正以降、旧耐震基準と新耐震基準の差異が顕著になりました。
旧耐震基準では、中規模地震でも建物が倒壊せず、損傷した場合でも補修により生活可能な基準に設定されています。新耐震基準ではより強力な大規模地震でも倒壊しない水準が求められます。
築年数を見て旧耐震か新耐震かの判断が重要です。旧耐震建物の場合、一般的には1981年5月31日以前に建築確認がされた建物を指します。
一方、それ以降の建築確認日の建物は新耐震基準にもとづいています。築年数が古い場合、特に旧耐震基準で建てられた建物は、新耐震基準の建物に比べて構造的な安定性に欠ける可能性が高くなります。
ただし、必ずしも旧耐震建物が脆弱であるとは限りません。適切な設計や建築技術によって、耐震性の高い建物が旧耐震基準で建てられた例もあります。
築年数だけでなく建物の構造や地盤の状況などへの考慮も重要です。耐震補強工事が行われている場合、旧耐震建物でも新耐震基準に近い安全性を確保できる場合があります。
しかし、費用の問題や工事の範囲によっては、十分な耐震性が得られないケースもあります。旧耐震建物を検討する際には、耐震補強の有無や工事内容の確認が重要です。
総括すると、築年数だけでなく建物がどの耐震基準にもとづいて建てられたか、また耐震補強の有無や工事内容などへの考慮が重要です。これらの情報をもとに慎重に物件を選定することで、安全性や耐久性を確保できます。
築年数が長い物件に住む際のチェックポイント
末永く心置きなく生活するために、築古物件に住む際の確認ポイントの把握は重要です。築古物件に住むこと自体に問題はなく、よい条件がそろっていれば、快適な生活を送れます。
しかし、事前の確認が不十分だと、不具合やリスクが生じる可能性があります。以下に、築古物件に住む際の主な確認ポイントを示します。
まず、修繕や管理が適切に行われているかの確認が重要です。建物や設備が古くても、適切な修繕や管理が行われていれば、生活上の問題は少なくなります。
内見時には、居室内だけでなく共用部分や建物周辺の状況も注意深く見るとよいでしょう。
また、リフォームやリノベーションがされているかどうかも確認すべきです。築古物件でも、内装や設備が新しい場合があります。リフォームやリノベーションがされていると、快適な生活が送りやすくなります。
設備の状態も重要なポイントです。古い設備がある場合は、問題なく使えるかどうかの確認が必要です。
特に、給湯器やエアコンなどの設備は、不具合があると生活に支障をきたす可能性があります。内見時には、設備が正常に動作するかの確認が大切です。
さらに、地盤の状態も確認すべきポイントです。建物の耐震性や安全性に影響を与える地盤の強さの確認は重要です。
地盤が弱い土地では、地震による被害が大きくなる可能性が高まります。地盤の強さについては、専門家に相談するか地盤調査の実施を推奨します。以上の確認ポイントを把握して、築古物件に住む際のリスクを最小限に抑えましょう。
まとめ
本記事では、築年数の概要から耐震性との関係、築古物件に住む際のチェックポイントを解説しました。築年数と耐震基準の関係を考える際には、建物が旧耐震基準か新耐震基準かの確認が重要です。
築古物件に住む場合は、修繕や管理の状況、リフォームやリノベーションの有無、設備の状態、そして地盤の強さなどのチェックが重要です。築年数の確認時に気を付けるポイントを把握し、慎重に物件を選定することで、心置きなく快適な生活を送れます。